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導入施設の現状から探るオンライン診療の展望

第63回 国保診療施設管理研究会 (令和4年10月25日)

  • 保健・施設

国保診療施設管理研究会は10月25日、第63回研究会を3年ぶりに国保会館においてWeb形式で開催し、県内の国保診療施設から関係者23人が参加した。研究会ではオンライン診療に関する講演が行われ、活発な議論と情報交換が行われた。

オンライン診療のさらなる活用に向け課題を整理

一関市国民健康保険藤沢病院の新沼事務局次長兼医療介護経営係長は
「藤沢病院におけるオンライン診療サービスの活用 ―現状と課題―」と題し講演した。(以下、講演要旨)

「藤沢病院におけるオンライン診療サービスの活用 ―現状と課題―」

講演する一関市国民健康保険藤沢病院 新沼 健 事務局次長兼医療介護経営係長

オンライン診療の導入背景と当院の考え方を紹介する。まず、導入に際しては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による時限的緩和措置がされたことに加え、流行時の受診控えやコロナ後に広く活用されるものと考え、体制を整備することとした。導入システムについては、導入実績が多いこと、初期費用・月額基本料が無料であること、サービス利用料が患者一部負担金の4%のみであり医療機関の費用負担が少ないという理由で採用した。
オンライン診療の現状としては、2022年度診療報酬改定が行われたほか、診療に当たる医師は研修が必須となることから、eラーニングにより行った。

Web会議システムによる研究会の様子

本院の取り組みとしては、患者に対して院内でアプリダウンロードや登録などのサポートを行っている。また、オンライン診療により患者負担が増えるが、その分、通院に係る交通費や待ち時間が削減されるなどのメリットもあり、利用者から好意的な意見を得られている。
現在は睡眠時無呼吸症候群と慢性呼吸不全の患者に限定しているため利用者数は少ないが、対象疾患を増やしていきたい。また、利用者数が増加しない理由として、少子高齢化による人口減少を背景とした患者数の減少と患者の高齢化などが挙げられる。インターネットに馴染みがない高齢者、通信端末やクレジットカードを持たない高齢者の利用をどのように増やしていくか、そして、働き盛り年代の取り込みをいかに進めていくかも今後の課題となる。

質問する陸前高田市国保二又診療所 岩井 直路 所長

講演後に質疑応答が行われ、陸前高田市国保二又診療所の岩井所長から、通常の外来診療とオンライン診療の時間を分けているのか、クレジット払いにあたり、医療機関で対応は必要となるかなどの質問があり、一関市国保藤沢病院では通常の外来診療の時間に組み込んでいること、医療機関ではクレジット払いに対応していなくても導入できることなどが回答された。

取り組みを紹介する八幡平市立病院 望月 泉 総括院長

また、八幡平市立病院の望月統括院長からは、八幡平市立病院と八幡平市国保田山診療所におけるオンライン診療について紹介された。非常勤となっている田山診療所との往来が困難な場合、田山診療所に来院された患者と八幡平市立病院でZoom等を活用し、変則的ではあるがオンライン診療を始めたことが報告された。田山診療所での対面診療を前提としつつも、今後、県立の大規模病院から沿岸部等の医師が不足する地域への医師派遣への活用や高齢化・過疎化の進む地域においては、新たな診療として進められるのではないかと期待が述べられた。

各施設の課題について情報交換

座長として研究会の進行をする 国保診療施設管理研究会 大石 和人 幹事長(国保葛巻病院事務局長)

質疑応答終了後は、国保診療施設管理研究会幹事長である国保葛巻病院の大石和人事務局長を座長に、各国保診療施設の課題等について意見交換が行われた。

質問する宮古市国保田老診療所 久保田 亮二 事務長

宮古市国保田老診療所の久保田事務長からは、2023年4月から原則義務化されるオンライン資格確認の導入状況やオンライン資格確認の導入が前提となる電子処方箋の導入予定に関し、各施設の状況などについて質問された。オンライン資格確認が導入できていない施設もあり、施設によって進捗状況に差が出ている現状が浮き彫りとなった。

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